長野市松代から地蔵峠を越え、上田市街地へ向かう途中に建っている。
田に囲まれた集落に、真っ赤に塗られた鳥居が存在感がある。
緑が豊富な場所なので、これだけ鳥居が赤く塗られていると、非常に目に付きやすく、主要な道路の脇に建っているだけに、目立つ存在である。
もともとは八幡宮と呼ばれていたそうだが、1864年に現在の誉田足玉神社へ改称された。
祭神として誉田別神、息長足姫命、玉依姫命と3柱が祭られているため、その文字をとって名称にしたと考える。
社地内には、同じように赤く塗られた鳥居を持つ境内社と、切妻の拝殿が構えている。
杉の社叢に囲まれているため、静かな場所になっており、拝殿の裏側に踏み面の狭い石段が続き、上部に覆屋に囲まれた本殿が建っている。
本殿は一間社の流造で、柱や脇障子などに多くの彫刻が施されている。
これは江戸時代の伝統的な手法とされており、柱や長押に地紋彫を施し、波・鯉・菊・麒麟などが彫られている。
柱の表面に縦に並べた溝(胡麻殻決り)をつけ、側壁・脇障子に八幡社にふさわしい武勇伝を題材にした大きな彫刻をつけるなど、幕末期に隆盛する様式を先取りしたような点も見られる。
所在地 | 上田市真田町宮ノ前 |
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ホームページ | なし |
祭神 | 誉田別命・息長足姫命・玉依姫命 |
本殿 | 文政十一年(1828) |
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大工 | 関谷武右衛門 |
建築様式 | 一間社 流造 柿葺 |