茅野市田沢地区の産土神を祀る田沢稲荷神社。
1237年には創建されていたと言う記載が残っており、稲荷大明神の神社と呼ばれていたと言う。
江戸時代、永禄年間に、尾張国の福田稲荷神社から神社名を授かり、福田稲荷神社と呼んでいたというが、現在では地域名の付いた名称とされている。
社地から50mほど離れたところに鳥居が立ち、民家と田の間を抜けて神社の入口に着くことができる。
入口には、左右の角柱に横架材を渡して注連縄をかけたものが設けられ、右手には土俵、左手には神楽殿が建っている。
神楽殿は天井の高い切妻造。
妻面に大きな梁が渡され、斗供と蟇股が梁の上に置かれている。
左右の壁面に戸袋が付けられているが、特に扉も無く、中まで覗けるような造りになっている。
神楽殿の奥に設けられた神門は、左右の内部に随身を置く平入り切妻造。
特に目立った装飾の無い造りとなっているが、その先に見える拝殿の特徴的な造りや雰囲気を引き立てるような印象を持つ。
拝殿は、1795年に立川流初代の富棟によって建築された。梁間、桁行きがともに1間ずつで、屋根には唐破風が設けられた銅板葺き。
虹梁の上には、ぼたんと唐獅子の彫刻が置かれ、正面の円柱の木鼻には唐獅子と側面に獏の彫刻を置いている。
棟木を支えている大瓶束には、波の彫刻、二重繁垂木の軒となっている。
両側に設けられた片拝殿は、建築当時のものでは無く、後の時代に設けられたものだという。
本殿は拝殿と同時期の18世紀末の建築。
覆屋の中に建つ一間社の流造となっている。
周囲には2m強の御柱が建てられており、赤い鳥居が連続し、狐が見守る稲荷神社とは違った雰囲気のある神社となっている。
所在地 | 茅野市大字宮川字田沢9091 |
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ホームページ | なし |
祭神 | 倉稲魂神 |
本殿 | 18世紀中期 推定 |
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建築様式 | 一間社 流造 柿葺 |
拝殿 | 市指定文化財 寛政7年(1795) |
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大工 | 立川和四郎富棟 |
建築様式 | 方一間 唐破風造 妻入 銅板葺 |