飯田市の白山社は里宮と奥社に分かれ、奥社は里社背後の風越山頂の直下に建ち、里宮は登山道の入り口に立っている。
718年の創建と伝えられており、江戸時代までの神仏混合時代には、里宮は白山寺と呼ばれていた。
当時、里宮の場所には仁王門や本地堂、持仏堂などが建ち、奥宮には不動堂や五重塔などが建てられていたという。
明治になり、廃仏毀釈によって建物は壊され、白山寺は白山社里宮と改められた。
風越山頂へと続く登山口になるため、飯田市街を見下ろすような傾斜地になっている。
石造の鳥居を潜ると、正面の石段の上に大きな随神門が見える。
飯田市の文化財に指定されている随神門は1828年に造営されたと伝えられている。
軒出の大きな入母屋造りで、桟瓦葺き、正面には軒唐破風が付けられている。
柱の上に取り付けられた木鼻には、仙人の彫刻が施され、天井には十二支が彫られている。
羽目には龍や唐獅子、鷹などが彫られており、非常に多く見られる彫刻は江戸時代後期から幕末に掛けての彫刻装飾が多く用いられた時代の様式が見られる。
楼門の背後には参道が続き、石段を登った正面に建てられている拝殿は、もともとは護摩堂として建てられたもの。
明治の廃仏毀釈で護摩堂から拝殿として使用されるようになったという。
1733年の建築で平入りの入母屋造りとなっている。 木鼻には獅子や獏、肘木は花肘木が使われ、四隅には龍の彫刻が取り付けられている。
本殿は、もともと諏訪大社上社本宮の宝殿を移築したものという。
屋根には千木と鰹木が置かれた切妻造りで周囲を瑞垣で囲っている。
周囲は大きな木々と竹林に囲まれた緑の鮮やかな神社となっている。
所在地 | 飯田市滝の沢上飯田 |
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ホームページ | ナシ |
祭神 | 伊弉諾命・菊理姫命・大己貴命 |
随神門 | 市指定文化財 文政11年(1828) |
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建築様式 | 3間1戸 楼門 入母屋造 桟瓦葺 |
拝殿 | 市指定文化財 享保18年(1733) |
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建築様式 | 入母屋造 桟瓦葺 |