東照宮

神社建築サイトおみやさんcom

東照宮

とうしょうぐう

栃木県日光市山内2301

  • 東照宮

東照宮 豪華な建築が並ぶ
八州の鎮護

八州の鎮護として徳川家康を祀る日光市の東照宮。
美しい彫刻や彩色、豪華絢爛な建物で知られ、国外からもたくさんの観光客が訪れる。
全国の東照宮の総本社的な存在で、その創始は、源頼朝の造営によるものといわれている。

東照宮 鎌倉幕府や、戦国時代に関東を収めた北条氏など、東国での宗教的な権威だったそうで、徳川幕府が東照宮を利用し、家康を祀ることで幕府の権威を示したとも考えられる。
もともと日光山や日光三所権現と呼ばれ神仏習合で祀られていた。
そのため、東照宮のような絢爛豪華な建物は、輪王寺の大猷院猷でも見られる。
参道から石造の一の鳥居を過ぎると、左手に五重塔が建つ。
全体に朱塗りが施され、部材に金や緑などの色彩を入れている。
1650年、小浜藩の酒井忠勝の奉納で建てられ、1815年に焼失し、その後に再建された。 ほかの社寺の塔でも見られるように、心柱を吊り、その震動によって免震効果を測っている。

東照宮 東照宮

東照宮 赤く塗られた表門をくぐり抜けると、社叢に囲まれた豪華な社殿が広がる。
特に目につくのは、建物の色彩の中に彫り込まれている彫刻。
東照宮の建物に刻まれた彫刻の総数は5173体。
特に東照宮の特徴として、動物の彫刻がよく見られる。
これらの動物の彫刻は、平和の象徴として彫られているものがほとんどだという。
有名なところとしては、神厩舎の欄間に設けられた猿は、馬を守る動物として彫られ、特に「見ざる言わざる聞かざる」で知られている三猿は古代エジプトや論語などにも共通した点が見られ、起源はまだ解明されていないそうだ。

東照宮 東照宮

また、奥社の入り口を護る眠り猫は、左甚五郎の作として知られている。
眠っているような表情をしながらも、前足が踏ん張っているので、実は寝たふりをして家康を守っているとも言われている。
眠り猫の背後には雀が彫られ、雀が舞っていても猫が寝ていると、平和を表しているという。

東照宮 東照宮

東照宮東照宮で最も有名な建築物として知られている陽明門は「日暮らしの門」と呼ばれ、一日中見ていても飽きないと言われている。
真南を向き、その上空に北極星が輝いていることはあまりに有名。
「陽明門」という名称は、もともと京都御所の十二門のうち、東の正門から名前を受けたと伝えられているという。
江戸時代初期の建築で、彫刻や金具、彩色などの、当時の技術が集約されている建築物といえる。
彫刻の数は500を超えると言われる。
11メートルの高さを超える2層づくりで、梁行き方向7メートル、桁行き方向4.4メートルという。
有名な「魔除けの逆柱」は、門を潜った左手の柱。
ぐり紋の向きがこの柱だけ異なっており、これと同じ逆柱が、本社の拝殿と本殿に1本ずつあるといわれている。
ぐり紋自体に、魔除けの意味があると言われているが、形あるものは完成した瞬間から風化や破壊、崩壊が始まるように、1ヵ所だけ形を変えることで、建物が未完成という形をとり、長持ちするようにとの願いが込められている。

東照宮 東照宮

陽明門を過ぎ、正面の拝殿から右奥に、眠り猫が彫り込まれた回廊を横断し、その先に東照宮の奥宮がある。
背の高い木々に囲まれた石の通路と石段は、東照宮の建築物の中でも見どころの一つといわれている。
石段は一枚ごとに一枚岩が使用されており、その周りに設けられている柵は、一本石をくり貫いて造られた。

東照宮 石段の先に作られた鳥居は、1,683年に銅で作られたもの。
もともとは石造だったものを、建て替えたもので、額に書かれた文字は後水尾天皇のもの。

東照宮 その鳥居の横には、全体を青銅で包んだ御宝蔵が建てられている。
1654年建築で、朝廷から贈られた文書などが収められている。
奥宮の社殿は、御宝蔵、拝殿、鋳抜門、全て金属で覆われた建築となっている。
拝殿は建物全体が銅板で包まれており、その上に黒漆が塗られており、将軍職でないと昇段しての参拝は許されなかったという。
深い社叢の中で、とても落ち着きのある建物となっている。

東照宮 東照宮

東照宮 拝殿の奥に建てられた宝塔の前に建っている鋳抜門は、1650年建築。
屋根、柱、壁などの部材が鋳造されており、それを組み立てたものとなっている。
鋳造のため、他の建築物と同じような色あいで、落ち着きと豪華さを感じさせる。

奥宮の宝塔は、八角九段の基盤の上に立つで5mほどの高さをもつ。
鋳抜門と同じ椎名伊豫の作で、もともとは木造だったそうで、その後、石造になり、5代将軍綱吉のときに現在のような銅製になった。

東照宮は陽明門に代表されるように、非常に鮮やかな社殿、たくさんの彫刻など見るべき個所がとても多くある。
重々しくも煌びやかな社殿群は一目で息を飲むような迫力があり、長い時間をかけてじっくりと拝観したい。

東照宮
国宝の唐門、全体に胡粉摺が施されている
東照宮
表門の潜った右手にある下神庫
東照宮
手水舎
唐破風の屋根柱は花崗岩を使い
腐食がされないように工夫されている。
東照宮
輪蔵
天海の一切経を収めた経堂。内部には八角形の
輪廻式の大きな書架がある
東照宮
鐘楼
櫓造、屋根は入母屋で、枡組の部分が
竜になっている。
東照宮
神楽殿
入母屋造で、内部が3室に分かれていている。

東照宮 神輿舎
家康、秀吉、頼朝の3基の神輿を収めている。
どれも110キロの重さがあり、狩野了琢の天女舞楽が描かれている。

所在地栃木県日光市山内2301
ホームページhttp://www.toshogu.jp/
祭神徳川家康公・(相殿)豊臣秀吉公・源頼朝卿
国宝本殿、石の間及び拝殿
正面及び背面唐門 2棟
東西透塀 2棟
陽明門
東西回廊 2棟
重要文化財上社務所
神楽殿
神輿舎
鐘楼
鼓楼
本地堂
経蔵
上神庫
中神庫
下神庫
水屋
神厩
表門(附 簓子塀)
五重塔
石鳥居
坂下門
奥社宝塔(銅製)(附 銅製華瓶・燭台・香炉)
奥社唐門(銅製)(附 銅製狛犬2躯)
奥社石玉垣
奥社拝殿
奥社銅神庫
奥社鳥居
奥社石柵(附 石狛犬2躯)
仮殿本殿、相之間、拝殿
仮殿唐門
仮殿掖門及び透塀
仮殿鳥居(銅製)
仮殿鐘楼(附 石燈籠2基)
御旅所本殿(附 石舞台、東遊再興記石碑)
御旅所拝殿
御旅所神饌所(附 渡廊)
旧奥社唐門(石造)
旧奥社鳥居(石造)
参道(石鳥居以内)
鐘舎(鐘楼前)
燈台(鐘楼前、蓮燈籠)
燈台穂屋(鼓楼前、回転燈籠)
燈台穂屋(鼓楼前、釣燈籠)
銅神庫
渡廊(所在:陽明門東方回廊と社務所の間)
銅庫門(附 板塀)
非常門(附 銅板塀)(所在:中神庫北方)
鳥居(銅製)
内番所
西浄
東通用御門(下神庫東方)
石柵(陽明門前、鐘楼・鼓楼前、非常門脇、表門前、五重塔周囲)
銅燈籠16基
鉄燈籠2基
石燈籠104基
  • 東照宮
ページトップへ
長野県の神社建築専門サイトおみやさんcom
copyright (c) 2006-23 omiyasan.com all right reserved