佐久市の中心、岩村田の少し外れた住宅地の中、社叢に囲まれて建つ若宮八幡神社。
1202年、このあたり一帯を納めていた大井氏が鶴岡八幡宮から勧請し、創建されたと伝えられている。
木造の両部鳥居が建つ入口から進むと、社地の一部が公園として使用されており、参道の正面には平入り切妻の拝殿が建っている。

拝殿の形は地域によって違いが見られ、佐久一帯では平入りに唐破風が設けられている形がよく見られるが、若宮八幡神社では、屋根をそのまま延長した庇が入口の上に伸びているのみとなっている。
境内社として神功皇后社・正八幡大神社と祇園天皇社・天満天神王社が祀られている。
ふたつ並んだ境内社は、向かって左側が神功皇后社・正八幡大神社、右側が祇園天皇社・天満天神王社。
どちらも江戸時代の建築となっている。

本殿は三間社流造、正面の間口が4m近くもある規模の大きな社殿で、石積みの上に建てられている。
中備は蟇股で、その内部には彩色された竹や椿などの薄肉彫りが施されている。
妻飾には虹梁大瓶束で大瓶束上部には左右に木鼻を付けられている。
正面と側面に廻された縁は、切目縁で擬宝珠高欄をつけ、鳳凰などの彫刻が施された脇障子が設けられている
祭神 | 大雀命・誉田別尊・建御名方命・事代主命・武内宿弥命 |
本殿 | 元禄4年(1691)神社記録 |
建築様式 | 三間社 流造 銅板葺 |
祇園天皇社・天満天神王社 | 宝永6年(1709)記録 |
建築様式 | 一間社 隅木入春日造 銅板葺 |
神功皇后社・正八幡大神社 | 18世紀前期 推定 |
建築様式 | 一間社 流造 銅板葺 |