下社御柱里曳き

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下社御柱里曳き

しもしゃおんばしらさとびき

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御柱祭は7年目ごとに行う諏訪大社の式年造営。干支で寅と申の年にあたる年に行われる。
諏訪地域には4つの諏訪大社があり、諏訪市には上社本宮、茅野市の上社前宮、下諏訪町の下社秋宮、下社春宮。
御柱は神の寄り代として、それぞれの諏訪大社の4隅に立て、その昔は社殿の建て替えまでをしていたという。
上社と下社、それぞれに山から大きなモミの木を運び出す「山出し」と、それぞれの諏訪大社まで曳行し柱を立てる「里曳き」があり、「山出し」と「里曳き」は3日ずつ。
上社と下社で合計12日間、8本の柱が立てられる。

5月初旬、諏訪大社御柱祭里曳きの曳行が行われる。
数日前に上社の里曳き、建御柱が行われ、残るのは下社の秋宮・春宮の計8本の御柱。
朝7時過ぎ、注連掛けの神事が行われ、4月の木落とし後に保管されていた場所からの曳行が再開した。

下社御柱里曳き

下社の曳行は、8本の御柱全てが春宮の境内を通る。
春宮一の御柱から順次、二の御柱、三の御柱と続き、四の御柱の次に秋宮の御柱が続く。
春宮境内の入り口は、斜面なっているため、春宮一と二の御柱と秋宮の4本の御柱がこの斜面から木落としを行う。

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氏子に曳かれて、御柱が斜面を落ちる。
御柱に乗っている氏子を中心に、曳手と氏子が万歳を挙げる。
一の柱は社殿に向かって右手側。
御柱の進行方向とは逆になるため、木落とし完了後には、ほぼ180度の方向転換が行われる。
直径1mを越えるほどの大木が、大勢の人の力で動いていく様子は圧巻。
その引きずる音と、掛け声は大迫力。

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方向を変え、社殿の前に横たわる一の柱は、冠落としと呼ばれる先端を整える神事が行われる。
すべて手作業で行われるため、交代で斧を振り2・3時間かけて行われる。
その間、二の御柱が正面の斜面を落ち、三の御柱と四の御柱が裏で落とされている。

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里曳きは御柱を建てるところでクライマックスを迎える。
地元で建設業など日ごろから仕事などで手慣れた職業の氏子が中心に、御柱に立ち乗りし、徐々にせり上がっていく。
建御柱は御柱祭に参加している人たちの輝きと、そこにかける気持ちの伝わってくるようなシーンだった。
戦時中の御柱では軍部より中心命令があったにも関わらず、「命をかけているから」ということで続行したとも伝え聞いている。

御柱全体を通して危険な場面もあったが、開催する側なりの安全対策も見られた。
出来る限り安全に続行しようとする気持ちと、御柱を全うしようとする様子を感じた。
ただ観光客が増える傾向にあるようで、御柱をする側と観覧する側の気持ちの差が大きく見られ、残念でもあった。

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